久留米大学 医学図書館

貴重本紹介

医学図書館所蔵の貴重本をご紹介します。

  • 解剖学・生理学論

    解剖学・生理学論
    資料名 解剖学・生理学論
    著者名 ヴィック・ダジール
    数量 8巻
    刊年 1786年
    初版
    出版地 パリ
    言語

    フランス語

    解説

    ヴィック・ダジール(1748~1795)はフランスの医者、解剖学者で、1774年科学アカデミーに迎えられ、1778年には自らその創設に寄与した王立医師会の終身幹事に任命されたほか、マリーアントワネットやルイ16世の侍医も勤めた。人体解剖、とくに比較解剖学の成立に大きく貢献し、またアルフォールの獣医学校で比較解剖学の教授を勤めるなど哺乳類の研究によっても評価されている。本書は、ヴィック・ダジールによる解剖学、生理学の一連の著作の最初のものであり、脳に関する記述(アルコールによる「脳固定法」、ヴィック・ダジール腺条等)に多くのページが割かれている。体重に占める脳の重量の比率の研究や多くの解剖、実験から形態学上のいくつかの発見が知られる。後年、多くの模倣を生んだ本コピーには69枚のプレートが収録され、その多くは淡い色のアクアチント版画である。その他に手彩色されたり、あるいはアウトラインを描いたプレートも見られて美しい。

  • 外科医療器具図録

    解剖学・生理学論
    資料名 外科医療器具図録
    著者名 S・モー&トンプソン社
    数量
    刊年 1891年
    出版地 ロンドン
    言語

    英語

    解説

    本書は医学書ではなく、ロンドンの医療器具会社S・モー&トンプソンの賞品カタログである。内容はメスやピンセットといった小型の手術用具から、義手や義足、各種の補助器具、聴診器や電気器具にいたるまで、数百種の医療器具がすべて図解入りで案内されている。本書をひもとくと百年前の医療水準を見ることができる。また現代医療器具との比較ができて興味深い。まったく変わらないものもあるし、進歩を遂げたものもある。人々の英知を知ることができる。 

  • 看護ノート

    解剖学・生理学論
    資料名 看護ノート
    著者名 ナイティンゲール
    数量
    刊年 1860年
    初版
    出版地 ロンドン
    言語

    英語

    解説

    看護学の古典ともいわれるフローレンス・ナイティンゲール(1890~1910)の著書に「看護ノート」がある。看護に対する情熱と豊富な体験を元に、住居、食事、音、照明など、物理的側面から患者の心理分析などの精神面まで幅広く記載されていて、現在の目から見ても極めて示唆に富む内容である。本書の初版は1860年ロンドンで出版されたもので、その後も少なくとも1901年まで同一の版で印刷された。それらはおなじ版でも広告、装丁、活字の組み方や誤植などが異なっている。本学の所蔵版は見返の広告ページに薄い黄色の用紙が使われていて、活字の変更が多数行われ、気がつきやすいところでは78頁で”60”となるべきところで、0が抜けていたり、6の右側が印刷されていないといった特徴がある。初版のなかで、初めの印刷から数えて第6グループにあたると考えられている。 

  • 間接聴診法

    解剖学・生理学論
    資料名 間接聴診法
    著者名 ラエンネック
    数量 2巻
    刊年 1819年
    初版
    出版地 パリ
    言語

    フランス語

    解説

    ラエンネック(1781~1826)は、フランスの医師でナポレオンの侍医「コルヴィサール」の弟子であり、聴診器を発明したことで有名である。ラエンネックは初期には病理学を研究し、聴診時の心音や呼吸音の変化と病理解剖所見との関連を調べるなど効果的な聴診法を追求していた。ある時、丸太の片端をたたいてもう片方でその音を聞いている子どもの遊ぶ姿を見かけて、聴診器を考案したといわれる。本書はその聴診法を紹介したもので、それに止まらす病理学各論、とくに彼によって初めて明らかにされた呼吸器疾患の記述が含まれていて、当時大変好評であったという。

  • 指紋

    解剖学・生理学論
    資料名 指紋
    著者名 ゴールトン
    数量
    刊年 1892年
    初版
    出版地 ロンドン
    言語

    英語

    解説

    筆者のゴールトン(1822~1911)はチャールズ・ダーウィンの従弟で、優生学の創始者として知られる。本書は指紋が終生不変であることを強調し、個人識別の目的に適合した指紋分類法を考案した。図解を交えて記述していて、彼の研究結果の集大成であり、犯罪捜査に指紋を用いれることを唱えた最初の本である。1899年に英国学術協会で発表した論文「インドにおける指紋と犯罪の検出」は世に認められ、ゴールトン方式となった。後日、このゴールトン方式はスコットランド・ヤードの警視総監となったヘンリーによってさらに改良を施され、現在世界的に使用されている「ヘンリー・システム」という分類方式が確立される元となったのである。ちなみに1901年に指紋による検出方法がスコットランド・ヤードで正式に採用された。

  • 指紋録

    解剖学・生理学論
    資料名 指紋録
    著者名 ゴールトン
    数量
    刊年 1895年
    初版
    出版地 ロンドン
    言語

    英語

    解説

    本書は「指紋」の続編として刊行されたもので、指紋を分類し、300セットの適例を例示している。この2冊の本を見ると、わが国でも犯罪捜査に用いられている指紋の故郷はここにあるのだ、と感慨に耽ることになる。

  • 実験医学序説録

    解剖学・生理学論
    資料名 実験医学序説
    著者名 ベルナール
    数量
    刊年 1865年
    初版
    出版地 パリ
    言語

    フランス語

    解説

    実験医学者にとってのバイブル本、それがこの「実験医学序説」である。体系的な動物実験により、特に生理学の分野でグリコーゲンの発見、膵液の脂肪消化機能の発見、クラーレや一酸化炭素の毒性、唾液腺の血管運動神経など、広い領域にわたって新しい発見をしたクロード・ベルナールの主著である。本書は近代生理学の基礎を築いた彼の科学的態度を集約したもので、topimg説のもとに論理的結論を見いだす非常に啓蒙的な400ページの大冊である。「学説とは、多少豊富な事実によって実証されたtopimg説にほかならない」といった医科学の本質への深い洞察が見られ、平易で核心に触れる説明と実例、吐露された真理愛などが当時の知識人の心をとらえ、また後進の学者に大きな影響を与え続けた。科学的医学を築くべきであると主張し「しばしば医学者は自分の薬ですべての病人を治したと自慢するが、病人にその手当てをしなかった場合にどうなるのか、治したのは薬なのか、それとも自然だったのか」「実験医学者は、病気の治癒における自然と医薬との差を決定するために、動物実験と人体での比較実験をして、医薬の効果を確かめよ」などの言葉が見られる。邦訳には「実験医学序説」、三浦垈栄訳、東京創元社刊、1961年版がある。医学図書館にも所蔵されている。

  • 薬学・公衆衛生論

    解剖学・生理学論
    資料名 薬学・公衆衛生論
    著者名 フォードル
    数量 6巻
    刊年
    初版
    出版地 パリ
    言語

    フランス語

    解説

    著者のフォードルはアオスタ公国初の軍医で、1792年にサヴォワがフランスに併合された際に薬学と化学をニースで教え、その後もマルセイユやストラスブールで教鞭をとった。本書には、結婚、父性、出産、解剖、毒、衛生といった「しょう」が含まれている。